◆木材専門用語集◆
(もし間違った解説がありましたら、ご指摘いただければ幸いです)
杢 | 杢とは (Figured) |
木目などの紋様で、特に装飾価値が高い紋様を「杢」と呼んでいる。 つまりきれいな模様の出た木目の事を指す。 模様によって玉杢、チヂミ杢という言い方をする。英語でfigured |
孔雀杢 | クロガキにまれに出る模様。ちょうど孔雀の羽のような模様で色もこれに似ており なんとも言えない魅力がある。 |
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トラ杢 (タイガー) |
トチの木に出る模様のこと。チヂミよりも大柄の虎の縞模様に似た木目のことをいう。 チヂミよりも光沢のある材が多く質も多少違う。 トチに出る模様とは別にカバ、ケヤキなどにもトラと言われる模様が出るが、 その評価はトチと違い低い。 |
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サバ杢 | 原木がおおきく二又に分れた部分。こういう部位には独特の木目が表れサバ杢と呼ぶ。 | |
玉杢 | ケヤキその他環孔材にでる板目模様が玉状、渦状になったものを言う。ツヤのある材では その玉が浮き上がった様に見える。これらは非常に高価で取引される。 |
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縮杢 (Curly) |
トチ、カエデ、稀に環孔材に出る模様で、言葉通り切断面がチリメン状になったもの。 トチやカエデなどのベースが白い木では、光りを屈折させ普通の木のイメージにはない光沢の ある仕上りになる。 |
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キルティッド (Pommele) |
Quiltedとは連環や渦巻いた波状の玉が3Dの様に立体的に浮き上がって見える模様。 視線を動かすと、光源変化に伴い、玉状の模様が立体的に輝き優雅さを奏でる。 瘤(コブ)を持つ丸太に極稀に現れる模様の為、一般的にはあまり流通していない希少品。 Pommeleと同意語。 |
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シワ杢 | 字の如しで皺状の杢のこと。通常チヂミよりも模様は粗である。ケヤキ、クスなどに稀にでる このシワ杢は、樹皮の上からでもはっきりとわかるものが多い。 |
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鳥眼杢 (バーズアイ) |
小鳥の目のような小いさな円形の斑点が、板にたくさん散らばって表われる杢目。 「鳥目杢」とも書く。カエデ類に多く、バーズアイメープルとして有名。 |
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縞杢 | 年輪の模様とは異なり、色素によって縞目模様を呈する杢。ゼブラウッドが代表的で、 チーク、マホガニー、黒柿、黒檀などにも現れる。 |
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葡萄杢 |
ちいさな円形の模様が連なって、まるで葡萄の房がぶら下がっているように見える杢。 カエデなどの瘤に現れる杢目 |
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笹杢 | 笹の葉が折り重なったような先の尖ったギサギサ模様の杢。 和室の天井板や障子の腰板などに珍重される。 |
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トラフ | ナラの柾目に入る模様、漢字では虎斑。本柾材(年輪の接線に対して直角で真芯に向かう 切断面をもつ板)のみにあらわれるトラの縞模様に似た木目の事。 この模様はナラの放射組織(射出線、髄線)によるもので、トチのトラとは違う。 |
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呼び名 |
マグロ | 黒檀の中で稀に真っ黒なものもあり、それを本黒檀又はマグロ(真黒)と称し、 縞杢を有したものを縞黒檀(シマコクタン)と言う。一般的にマグロに近いほど高価。 |
ジンダイ | 漢字で神代と書く。天変地異により土中に長らく埋もれて、掘り出された材の事をいう。 いずれも泥染状態になり、非常に渋い色を呈する。 スギ、ケヤキ、クス、クルミ、カエデ、ナラなどだが、 広葉樹の神代は往々にして狂いやすく、扱いが難しい。 |
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ジュンパク | 漢字では純白。トチ材に対して使われ、字の如しで真っ白で赤味の無い材を言う。 トチは通常の材とは逆で、赤味のない白太材の方が狂いもなく評価は高い。 スーパーホワイトと呼ぶ事もある。 |
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バール |
瘤材のことで、木の根元や幹の途中にコブ状に出来た部位を指す。 一見硬そうに見えるが、以外と柔らかく、加工しやすい場合が多い。 また葡萄杢など綺麗な杢を呈する場合が多く、花梨、メープル、樺、ニレ等がその代表格。 |
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基礎知識 | 板目 | 年輪の接線方向で製材されたものに出る模様。通常イメージする年輪の模様。 |
柾目 | 年輪の接線に直角の切断面の木目。通直な原木からは、真っ直ぐな線模様がえられる。 | |
追柾 | 年輪の接線に対し直角よりもかなり大きいか小さい角度の切断面にでる模様。 わかりやすくいうと板目と柾目の中間のような目の事。 |
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木裏、木表 | 板材には木裏と木表があり、樹皮に近い方の切断面を木表、芯に近い方の面を木裏と呼ぶ。 | |
白太(辺材) | 樹皮に近い白色の部分。通常の木ではこの部分が少ないものが良材。 この部分は年数を経て赤味へと変化する。 トチの場合はこの反対で、白太の方に価値があり、赤味は割れやすい。 |
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赤味(心材) | 木材の木口の芯に近い部分を指す。通常樹皮側よりも赤い色のことが普通。 この赤味に対し樹皮側は白太と呼ばれる。原木屋が赤ハルと呼ぶ場合は、 通常良材を意味する。 |
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環孔材 | 木口に導管の年輪模様が出る樹種のこと。切断面にきれいな木目が出る。 ケヤキ、ナラ、桐、セン、チーク、クリ、ニレなどが環孔材の代表。 |
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散孔材 | 木口に導管の年輪模様がはっきりと出ていない種類の樹種。 ブナ、桂、シナ、サクラ、ホウ、トチ等がこれにあたる。 |
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原木 | 山から切り出された樹木を業界では原木(げんぼく)と呼ぶ。ちなみに山にある樹木は 立ち木(たちき)と呼ばれる。 |
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突き板 | 材を薄くスライスしてベニア板に張り化粧用とするものをいう。厚さは薄いものは 0.25mm程である。 |
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トモギ | 漢字で共木。製品に使われる言葉で、同じ原木より取り出された材のことを言う。 | |
タチガレ | 樹木が立ち木のままで枯れたもの。通常、白太部分は腐朽してボロボロになっているが、 水分が抜けて狂いも少なく、市場での評価は高い。 |
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状態 |
カステラ | 材が腐朽してスポンジ状になった部分のことを言う。用材としては使えない。 |
アオタ (アオ) |
トチなどの白い部分に青色、黒色のカビが生えた状態をいう。 表面のみの場合もあるが、多くは内部にまで達してその価値を下げる。 薬品である程度、漂白する事も出来る。 |
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カナクギ | カエデ、トチに見られる青黒いキズで、カンナなど刃物を痛めるやっかいもの。 カナケ、カニクイとも言われる。木口に見られるカナクギは小さい入り皮のようにも見える。 |
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ヒワレ | 製材品の乾燥時に入る小さなワレのこと。材が持つ力によって割れるものとは、 少々性質が違う。また原木の状態で表面に入るワレのことをいう場合もある。 |
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イリカワ | 漢字で入り皮。木肌が凸凹状で樹皮を木部が包み込んだ状態。原木製材時に 芯に近い部分にまで樹皮が出ることもある。 コブ材などに多く現れ、その価値を下げる厄介物。 |
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テッポー | 広葉樹に入るカミキリムシの幼虫時代の巣穴。 | |
ハブシ | ごく小さい節のことで小黒点、赤褐色点になって出ることが多い。 | |
ピン | ピンホールともいう。ヒラタキクイムシなどによる直径数ミリの小さな虫穴のこと。 材木屋にとってはなかなかやっかいな代物で、乾燥材の白太に入ることが多い。 製材品に入るヒラタキクイムシとは別に、クリには立ち木時に入るピンがあり、 特にキズや腐り部分には、これが多い。 |